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Q.10年前に土地所有者の父が亡くなりました。相続登記はしたほうが良いと思いながら面倒なので放置したままにしています。何か問題がありますか?


A.平成29年12月29日の日経新聞に「土地相続登記を義務化」というタイトルの記事が出ています。法務省は所有者不明の土地や空家問題の対策として、現在は任意となっている相続登記の義務化や土地所有権の放棄の可否などを協議し具体策を検討されています。

相続人が明確になっている場合は所有者不明の土地とはならないでしょうが、権利関係を明確にするためにも早い目に相続登記をされておくことをおすすめします。

Q.購入を予定している土地の登記事項要約書を申請しようと思い、申請書にその土地の住所を書いてところ、「住居表示ではなく地番を書いて下さい」と言われました。地番と住居表示はどのように違うのでしょうか。


A.地番も住居表示(じゅうきょひょうじ)も、住所として使われます。

地番はその土地を特定するために一筆ごとに土地につけられた番号で、登記できない土地を除く全ての土地に付いていますが、住居表示は実施されている地域とされていない地域があります。

住所は従来、「○○市○○町○○番地○○」というような町名と土地の地番で表していました。この時点では地番と住所は一致していましたので、「地番=住所」と考えても差し支えありませんでした。

ところが、地番は、土地の分筆や合筆の度に枝番がついたり飛び番や欠番になったりするため、長い年月の間に不都合が起こるようになりました。

参考図:http://www.to-ki.jp/data/VOL-284.gif

分筆や合筆が何度か繰り返されると、土地の地番はだんだん住宅等の並びとは一致しなくなってきて、地番からその場所にたどり着くのが困難になり、郵便の配達が遅れたり、救急車や消防車といった緊急車両の到着が遅れるなどのおそれが出てきました。

そこで、このような不便を解消するため、昭和37年5月に住所をわかりやすくするための法律「住居表示に関する法律」が施行され、これに基づいて全国的に新しい住居表示が実施されるようになったのです。

住居表示が実施されると、一定の法則に従ってつけられた建物の場所を表す番号「○○市○○町(○丁目)○番○号」が新しい住所となり、この時点で「地番=住所」ではなくなります。

しかし、住所として地番が使われなくなったとしても、地番が土地の場所や権利の範囲を表すための登記上の番号であることに変わりはありません。従いまして、住居表示が実施された地域であっても登記上では地番で表されます。

ちなみに、地番は登記所(法務局)が定めるのに対し、住居表示番号は市町村が定めます。

Q.購入予定の宅地があるのですが、不動産屋さんから、市道からその宅地に至るまでの道路は位置指定道路で、所有権は共有と聞きました。この「位置指定道路」とはどのようなものなのでしょうか?参考図: http://www.to-ki.jp/data/VOL-282.gif


A.建築物の敷地は、法律(建築基準法)で定められた道路に2m以上接しなければならない事になっています。ここで言う「道路」とは、国道や県道、市道といった公道だけでなく、私道であっても認められるものがあります。

例えば、土地を分割してそれぞれの土地に建築物を建てる場合には、新たに私道を設けて、特定行政庁(都道府県や市町村)から道路の位置指定を受けなければなりません。

この指定を受けた私道が「位置指定道路(いちしていどうろ)」です。

ただし、道路の位置指定を受けることができる土地は、「開発許可制度の適用を受けないものに限る」とされています。開発許可制度の適用を受けるかどうかの基準は、その土地が属する都市計画の区域や敷地面積等によって違いがあります。

宅地を購入する際には、前面道路が位置指定道路かどうか、その所有権はどうなっているのか等も確認するようにしてください。なお、位置指定道路は私道ですので、宅地と同様に登記されています。法務局で所有権やその他の権利関係を調べることができます。

Q.分譲マンションを購入すると、敷地の権利も取得する事になるそうですが、その持ち分はどのように決められるのでしょうか?


A.分譲マンションを購入すると、敷地権(しきちけん)と呼ばれる権利も取得することになります。敷地権とは、分譲マンション(区分建物)と一体化して登記された敷地の権利で、建物(専有部分)と一緒に売り買いされます。

この敷地権の持ち分は、○○分の○○といった具合に登記されており、原則として建物(専有部分)の床面積の割合とされています。分譲マンションの全ての専有部分の床面積を合計した数値を分母とし、各専有部分の床面積を分子とした割合です。

持ち分=専有部分の床面積/全専有部分の合計床面積

しかし、規約によって上記の割合以外にすることも可能です。例えば、

(1)厳密に床面積の割合によると端数が出るので、その端数を整理した割合で決める場合。

(2)床面積と関係なく価格割合による場合。

その他いろいろなケースが考えられます。

尚、この敷地権の扱いは、大規模な分譲マンションだけでなく、2世帯住宅のような小規模な区分建物でも同じ扱いで処理することができます。

Q.購入した分譲マンションの登記事項証明書(登記簿謄本)に、敷地権(敷地権の種類・所有権)の記載があるのですが、これは何を意味するのでしょうか?


A.敷地権(しきちけん)とは、分譲マンション(区分建物)と一体化して登記された敷地の権利です。分譲マンションの購入者は通常、その建物(専有部分)だけでなく、マンションの敷地に関する権利も取得することになります。

一戸建て住宅のような通常の建物であれば、その敷地と建物はそれぞれ独立した不動産として別々に登記されていて、土地だけを売却したり、建物だけを売ることもできますが、分譲マンションのような区分建物の登記は、その敷地に関する権利も一緒に登記されていて、建物(専有部分)と敷地の権利は分離して処分することができない扱いとなっています。

そのため、マンションを売り買いすると、その敷地の権利も一緒に売り買いされることになるのです。

この事は、規約によってマンションの敷地と定めた土地(規約敷地)についても同様です。以上、マンション所有者と敷地の権利について簡単にご紹介しましたが、実際には、建物(専有部分)と敷地に関する権利とを分離して処分できる場合もあり、多様なケースが存在します。

Q.分譲マンションを購入したいと思っています。今検討しているマンションには駐車場や中庭があり、これらもマンションの敷地とのことです。マンションの敷地とは、どこまでの範囲をいうのでしょうか?


A.マンションの敷地には、「法定敷地(ほうていしきち)」と「規約敷地(きやくしきち)」があります。法定敷地は、そのマンションが建っている土地を指します。例えば、マンションが一筆の土地の一部の上に建っている場合、その一筆の土地全部が敷地となります。また、マンションが数筆の土地にまたがっているときは、その数筆の土地全部が敷地となります。

このように、マンションが建っている土地は、法律上、当然にマンションの敷地である事がわかりますので法定敷地と呼ばれています。一方の規約敷地は、分譲マンションの所有者(区分所有者)が規約によってマンションの敷地と定めた土地です。

これは、マンションまたはマンションが建っている土地と一体として管理または使用するための土地で、マンションが建っている土地(法定敷地)と必ずしも隣接している必要はありません。

規約敷地の例としては、庭、通路、駐車場、公園、付属の物置、集会場等といった土地があります。規約で定めれば、マンションから離れた場所にある駐車場でも、マンションの敷地として取り扱うことができます。

Q.父名義の建物(既に登記されている)に増築して二世代住宅にしようと考えています。

増築部分は食事や風呂といった日常生活の一切を行うことができる設計ですが、既存建物とは完全に遮断せず、ドアを通してお互いに行き来できるようにしたいと考えています。増築に掛かる費用はすべて私が持ちます。この場合、建物の登記はどのようにすればいいのでしょうか?


A.2通りの方法が考えられます。

1つ目の方法は、全体を一個の建物として登記する方法で、父と子の共有名義の建物として登記する方法です。この方法では、既存部分と増築部分の価格割合から父と子の持分を決めて共有持分を登記します。持分の登記は司法書士に依頼して処理する必要があります。

2つ目の方法は、既存部分と増築部分を別々の建物(区分建物)として登記する方法です(幾つかの要件をクリアする必要があります)。区分建物の登記をすると、外見上1個の建物でも、独立した2個の建物として扱われることになります。このことにより担保権を設定するときは、増築した部分だけに設定することが可能です。

区分建物の登記は主にマンションを登記する際に用いられますが、小規模な建物でも、区分建物の要件を満たすことができれば可能になります。

区分建物の要件は以下の通りです。

1、1棟の建物であること。

2、隔壁(シャッター、ドアを含む)や階層(天井、床など)によって遮断され、構造上と利用上の独立性があること。

3、区分建物として独立した用途性があり直接外への出入りが可能なこと (廊下や階段室など共用部分を利用することも含む)。

Q.土地区画整理地内の土地を購入し家を建てました。この土地は仮換地の状態で、土地区画整理組合から仮換地証明書、仮換地重ね図等が交付されたのですが、この状態で建物の登記はできるのでしょうか。参考図:http://to-ki.jp/data/VOL-277.gif


A.土地区画整理事業では、宅地利用の増進を図るために、区画を割り直して土地を入れ替えする換地手法が用いられます。仮換地とは、換地処分を行うために必要のある場合に、換地の位置や範囲を仮に指定するものです。

仮換地指定後は、仮換地を従前の土地と同じように使用収益することができ、建築物を建てることも可能で、建物の登記もできます。ただし、所有権は換地処分の公告の日までは従前の土地のままです。

参考図の例に当てはめると、従前の土地(26番)にあった土地の使用収益権が仮換地(8ブロック2ロット)に移りますが、所有権は換地処分の公告の日までは従前の土地(26番)のままとなります。(ブロックとは街区を表し、ロットとは宅地1区画を示します)

そのため、所有権を示す権利証や登記簿、公図等は今まで通り26番ということになり、売却する場合も26番の移転登記を行います。建物登記の際の所在は、底地地番と仮換地のブロックロットを併記して行います。

ちなみに仮換地を本換地にするための手続は、地番と地積を変更するだけです。

Q.15年ほど前に建築した建物があるのですが、容積率をオーバーしていたため建築確認を受けておらず、登記もしていませんでした。容積率をオーバーした状態は今も変わっておらず、建築基準法に違反した状態のままですが、この建物は登記できるでしょうか?


A.建築基準法に違反した状態であっても、不動産登記法による建物の認定要件を備えていれば、登記をする必要があります。

建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めることで、国民の生命や財産の保護を図ることを目的としています。一方、不動産登記法は、不動産の現況と権利関係を公示することで、不動産取引の安全を図るのが目的です。

ですから、建築基準法上は違反建築物であっても、不動産登記法上は現況と権利関係を明らかにしておく必要があるというわけです。尚、建物の登記の際には所有者であることを証明する書類の添付が必要となりますが、通常は建築確認書や検査済証を使うのが一般的です。

今回のケースでは、建築確認書も検査済証もありませんので、それに代わるものとして固定資産税登録事項証明書や、工事施工者の工事完了引渡証明書、借地上の建築であれば敷地所有者の証明書等を使って登記することができます。

ただし、違反建築物には、行政庁から除却措置命令が出されたり、金融機関からの融資がうけられない場合がある等のリスクが伴いますので注意が必要です。

Q.庭に18平方メートルのプレハブ建物を設置して物置として利用しています。この建物は登記できるでしょうか?


A.法の規定に基づき建物と認定されれば登記できます。法の条文には次のように書いてあります。

「建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない(不動産登記規則:第百十一条)」

要件をまとめると次のようになります。

1.土地に定着していて容易に移動できないこと。

2.永続性があること。

3.屋根および周壁またはこれに類するものを有すること。

4.その目的とする用途に供しうる状態にあること。

5.不動産として独立して取引対象となりうるものであること。

問題になりそうなのは、建物が土地に定着しているかどうかだと思います。工事現場などで見かける丸太杭の上に土台を置いて、鎹(かすがい)で固定したようなプレハブ建物は、定着しているとは言えませんので登記できません。

参考図1:
http://www.to-ki.jp/data/VOL-275_1.gif

しかし、コンクリートによる基礎を造り、これにしっかりと固定してあれば登記できるプレハブもあります。

参考図2:
http://www.to-ki.jp/data/VOL-275_2.gif