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Q.「宅地」の定義が複数あるそうですが、どのような違いがあるのでしょうか?


A.一言で「宅地(たくち)」と言っても、適用される法律によって定義が違いますので、幾つかご紹介します。

■宅地建物取引業法の宅地

宅地建物取引業法は、宅地と建物の取引に関する法律で、購入者の保護や流通の円滑化を図ること等を目的としています。この法律で「宅地」とは、建物の敷地になっている土地をいい、都市計画法の用途地域内の土地で、道路・公園・河川などの公共の施設として用いられている土地以外の土地をいいます(宅地建物取引業法 第2条)。地目や現況のいかんを問わず、上記に当てはまるものは全て宅地として取り扱います。

■土地区画整理法の宅地

土地区画整理法は、健全な市街地の造成を図る事で、社会全体の共通の利益に役立てること等を目的としています。この法律で「宅地」とは、公共施設として用いられている国又は地方公共団体の所有する土地以外の土地をいいます(土地区画整理法 第2条)。公共施設以外の土地は、農地や山林も含め全て宅地です。

■宅地造成等規制法の宅地

宅地造成等規制法は、宅地造成に伴う災害を防止し、国民の生命及び財産の保護を図ること等を目的としています。この法律で「宅地」とは、農地、採草放牧地、森林、道路、公園、河川その他公共の用に供する施設の用いられている土地以外の土地をいいます(宅地造成等規制法 第2条)。

農地や採草放牧地は宅地として取り扱いません。

■不動産登記法の宅地(地目)

不動産登記法は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示(登記)し、国民の権利の保全を図り、それによって取引の安全と円滑に資することを目的としています。この法律で「宅地」は、建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地となっています(不動産登記事務取扱手続準則 第68条)。

土地の現況及び利用目的に重点を置き、部分的にわずかな差異があっても、土地全体としての状況を観察して定めるものとされています。

Q.「農地転用」とはどんなものなのでしょうか?


A.農地転用(のうちてんよう)とは、農地を農地以外の目的に転用することで、農地法に定めがあります。「農地」とは、耕作の目的に供される土地の事で、実際に田や畑として利用している土地は皆「農地」ということになります。

また、登記簿上の地目が「田」や「畑」になっている土地は、耕作がされていなくとも農地とみなされます。逆に、もし登記簿上の地目が田や畑以外の地目だったとしても、現況が農地なら農地とみなされます。

さらに、今は休耕していて原野のように見える土地でも、耕作しようと思えばいつでも耕作できるような土地は農地とみなされます。ただし、庭の一角で野菜を栽培しているような家庭菜園は農地には該当しません。

農地法の目的は「食料の安定供給の確保」(農地法第一条)で、農業生産の基盤である農地を守るため、農地転用を規制しています。そのため、農地が自分の土地であったとしても、農地以外の目的に転用する場合には、許可や届出が必要になります(農地法第四条)。

これに違反して転用した場合には、もとの農地に復元させる等の厳しい処分が科せられる事があります(農地法第五十一条)。

正しく手続を踏んで、適正に転用したとしても、登記簿上の地目が田や畑のままになっていると、後々トラブルの原因になりますので、地目変更登記の手続を行うことをお勧めします。

Q.近所で「地籍調査」が始まると聞きました。「地籍調査」とはどんなものなのでしょうか?


A.地籍調査(ちせきちょうさ)は、法律に基づく「国土調査」の1つとして実施されています。地籍とは一筆ごとの土地の所有者、地番、地目、境界の位置、面積などの情報のことで、「土地に関する戸籍」と言うことができます。

地籍調査は、この地籍を明らかにすることを目的に、境界の位置や土地の面積などを測量する調査で、主に市町村が主体となって行います。

私たちの土地に関する記録は、登記所(法務局)で管理されていますが、その中には明治時代に作られたものも多く存在し、境界の位置や土地の形状・面積が実際とは違っているケースも多くあります。土地の境界が不明確だと、土地をめぐるトラブルに巻き込まれるリスクがありますが、地籍調査を実施した地域では土地の境界が明確になりますので、トラブルを防ぐことができます。

地籍調査の結果は登記所(法務局)にも送られ、それを基に登記簿の修正や地図の更新が行われ、私たちの土地に関する記録に反映されます。また、地籍調査の結果は、固定資産税の基礎情報としても利用されます。

地籍調査は今現在も各地で実施されています。地籍調査が始まったのは昭和26年ですので、もう60年以上も経っているのですが、まだ半分しか終わっていません。

自分の住む地域で地籍調査が行われているのか知りたい場合には、市町村の地籍調査の窓口にお問い合わせください。

尚、地籍調査に関しましては、国土交通省でわかりやすいホームページを公開していますので参考にしてください。
http://www.chiseki.go.jp/

Q.「国土調査」という言葉を耳にしたのですが、「国土調査」とはどんなものなのでしょうか?


A.国土調査(こくどちょうさ)とは、狭い国土を合理的に利用するために行われている調査で、国土調査法や国土調査促進特別措置法といった法律に基づいて実施されています。

国土調査は、大きく分けると「地籍調査」「土地分類調査」「水調査」の3つの調査から構成されています。

■地籍調査
地籍とは一筆ごとの土地の所有者、地番、地目、境界の位置、面積などの情報のことで、「土地に関する戸籍」と言うことができます。地籍調査とは、地籍を明らかにすることを目的に、境界や地積に関する測量・調査を行い、新しい地図(地籍図)と台帳(地籍簿)を作る調査です。

■土地分類調査
土地を利用する上で、その土地の性質を知る事は大変重要な事です。土地分類調査は、土地の地形・地質・土壌といった自然的な性質や、土地利用の状況などを調査して、地図(地形分類図・表層地形図・土壌図等)にまとめる調査です。

■水調査
水調査は、「水」に関する調査で、河川や周辺地域を対象とした水系調査と、井戸などの地下水を対象とした地下水調査があります。どちらも、国が主体となって行っています。

Q.10年前に土地所有者の父が亡くなりました。相続登記はしたほうが良いと思いながら面倒なので放置したままにしています。何か問題がありますか?


A.平成29年12月29日の日経新聞に「土地相続登記を義務化」というタイトルの記事が出ています。法務省は所有者不明の土地や空家問題の対策として、現在は任意となっている相続登記の義務化や土地所有権の放棄の可否などを協議し具体策を検討されています。

相続人が明確になっている場合は所有者不明の土地とはならないでしょうが、権利関係を明確にするためにも早い目に相続登記をされておくことをおすすめします。

Q.購入を予定している土地の登記事項要約書を申請しようと思い、申請書にその土地の住所を書いてところ、「住居表示ではなく地番を書いて下さい」と言われました。地番と住居表示はどのように違うのでしょうか。


A.地番も住居表示(じゅうきょひょうじ)も、住所として使われます。

地番はその土地を特定するために一筆ごとに土地につけられた番号で、登記できない土地を除く全ての土地に付いていますが、住居表示は実施されている地域とされていない地域があります。

住所は従来、「○○市○○町○○番地○○」というような町名と土地の地番で表していました。この時点では地番と住所は一致していましたので、「地番=住所」と考えても差し支えありませんでした。

ところが、地番は、土地の分筆や合筆の度に枝番がついたり飛び番や欠番になったりするため、長い年月の間に不都合が起こるようになりました。

参考図:http://www.to-ki.jp/data/VOL-284.gif

分筆や合筆が何度か繰り返されると、土地の地番はだんだん住宅等の並びとは一致しなくなってきて、地番からその場所にたどり着くのが困難になり、郵便の配達が遅れたり、救急車や消防車といった緊急車両の到着が遅れるなどのおそれが出てきました。

そこで、このような不便を解消するため、昭和37年5月に住所をわかりやすくするための法律「住居表示に関する法律」が施行され、これに基づいて全国的に新しい住居表示が実施されるようになったのです。

住居表示が実施されると、一定の法則に従ってつけられた建物の場所を表す番号「○○市○○町(○丁目)○番○号」が新しい住所となり、この時点で「地番=住所」ではなくなります。

しかし、住所として地番が使われなくなったとしても、地番が土地の場所や権利の範囲を表すための登記上の番号であることに変わりはありません。従いまして、住居表示が実施された地域であっても登記上では地番で表されます。

ちなみに、地番は登記所(法務局)が定めるのに対し、住居表示番号は市町村が定めます。

Q.購入予定の宅地があるのですが、不動産屋さんから、市道からその宅地に至るまでの道路は位置指定道路で、所有権は共有と聞きました。この「位置指定道路」とはどのようなものなのでしょうか?参考図: http://www.to-ki.jp/data/VOL-282.gif


A.建築物の敷地は、法律(建築基準法)で定められた道路に2m以上接しなければならない事になっています。ここで言う「道路」とは、国道や県道、市道といった公道だけでなく、私道であっても認められるものがあります。

例えば、土地を分割してそれぞれの土地に建築物を建てる場合には、新たに私道を設けて、特定行政庁(都道府県や市町村)から道路の位置指定を受けなければなりません。

この指定を受けた私道が「位置指定道路(いちしていどうろ)」です。

ただし、道路の位置指定を受けることができる土地は、「開発許可制度の適用を受けないものに限る」とされています。開発許可制度の適用を受けるかどうかの基準は、その土地が属する都市計画の区域や敷地面積等によって違いがあります。

宅地を購入する際には、前面道路が位置指定道路かどうか、その所有権はどうなっているのか等も確認するようにしてください。なお、位置指定道路は私道ですので、宅地と同様に登記されています。法務局で所有権やその他の権利関係を調べることができます。

Q.分譲マンションを購入すると、敷地の権利も取得する事になるそうですが、その持ち分はどのように決められるのでしょうか?


A.分譲マンションを購入すると、敷地権(しきちけん)と呼ばれる権利も取得することになります。敷地権とは、分譲マンション(区分建物)と一体化して登記された敷地の権利で、建物(専有部分)と一緒に売り買いされます。

この敷地権の持ち分は、○○分の○○といった具合に登記されており、原則として建物(専有部分)の床面積の割合とされています。分譲マンションの全ての専有部分の床面積を合計した数値を分母とし、各専有部分の床面積を分子とした割合です。

持ち分=専有部分の床面積/全専有部分の合計床面積

しかし、規約によって上記の割合以外にすることも可能です。例えば、

(1)厳密に床面積の割合によると端数が出るので、その端数を整理した割合で決める場合。

(2)床面積と関係なく価格割合による場合。

その他いろいろなケースが考えられます。

尚、この敷地権の扱いは、大規模な分譲マンションだけでなく、2世帯住宅のような小規模な区分建物でも同じ扱いで処理することができます。

Q.購入した分譲マンションの登記事項証明書(登記簿謄本)に、敷地権(敷地権の種類・所有権)の記載があるのですが、これは何を意味するのでしょうか?


A.敷地権(しきちけん)とは、分譲マンション(区分建物)と一体化して登記された敷地の権利です。分譲マンションの購入者は通常、その建物(専有部分)だけでなく、マンションの敷地に関する権利も取得することになります。

一戸建て住宅のような通常の建物であれば、その敷地と建物はそれぞれ独立した不動産として別々に登記されていて、土地だけを売却したり、建物だけを売ることもできますが、分譲マンションのような区分建物の登記は、その敷地に関する権利も一緒に登記されていて、建物(専有部分)と敷地の権利は分離して処分することができない扱いとなっています。

そのため、マンションを売り買いすると、その敷地の権利も一緒に売り買いされることになるのです。

この事は、規約によってマンションの敷地と定めた土地(規約敷地)についても同様です。以上、マンション所有者と敷地の権利について簡単にご紹介しましたが、実際には、建物(専有部分)と敷地に関する権利とを分離して処分できる場合もあり、多様なケースが存在します。

Q.分譲マンションを購入したいと思っています。今検討しているマンションには駐車場や中庭があり、これらもマンションの敷地とのことです。マンションの敷地とは、どこまでの範囲をいうのでしょうか?


A.マンションの敷地には、「法定敷地(ほうていしきち)」と「規約敷地(きやくしきち)」があります。法定敷地は、そのマンションが建っている土地を指します。例えば、マンションが一筆の土地の一部の上に建っている場合、その一筆の土地全部が敷地となります。また、マンションが数筆の土地にまたがっているときは、その数筆の土地全部が敷地となります。

このように、マンションが建っている土地は、法律上、当然にマンションの敷地である事がわかりますので法定敷地と呼ばれています。一方の規約敷地は、分譲マンションの所有者(区分所有者)が規約によってマンションの敷地と定めた土地です。

これは、マンションまたはマンションが建っている土地と一体として管理または使用するための土地で、マンションが建っている土地(法定敷地)と必ずしも隣接している必要はありません。

規約敷地の例としては、庭、通路、駐車場、公園、付属の物置、集会場等といった土地があります。規約で定めれば、マンションから離れた場所にある駐車場でも、マンションの敷地として取り扱うことができます。