解散?!清算結了前の法人所有の建物滅失登記

建物登記
土地家屋調査士 安井功
土地家屋調査士 安井功

こんにちは。土地家屋調査士の安井です。

先日、法人が所有する建物の滅失登記を依頼されました。その法人の商業登記事項証明書を見ると、既に「解散」されています。今回はこんな場合の登記申請についてのお話です。




1.法人の商業登記事項証明書で「解散」となっている!

建物を所有されている法人の商業登記事項証明書を見ると「令和4年4月30日株主総会の決議により解散」となっています。この日より2か月間(7月1日迄)は清算結了の登記申請をすることが出来ません(7月1日以降は、いつでも清算結了の登記申請が可能)。

この状況(解散になっているが清算結了していない)での建物滅失登記は、「代表清算人●●●●」を法人の代理人として申請が可能です。

尚、清算結了の登記が申請され結了したら、商業登記が閉鎖されてしまいますので、登記申請は不可能となります(人間に置き換えれば「死亡」ということになります)。




2.代表清算人を申請人とし、滅失登記をやってみた

滅失登記の申請書は上記のとおり。申請人のところが「代表清算人●●●●」となります。

建物の解体途中で(滅失登記の申請前に)「清算結了」の登記が申請されてしまい、法人が閉鎖されてしまわないか…。心配でしたので、委任状の添付書類として清算結了前の商業謄本(3か月以内)を添付しておきました。




3.無事に登記完了&まとめ

はい、以下の様に無事に建物滅失登記が完了しました。

「解散」の登記がされていても、清算結了前の法人であれば、「代表清算人」を申請人として登記申請ができます。念のため、清算結了前の商業謄本を添付すると安心だと思います。

もし、清算結了後の滅失登記であれば、その法人からの滅失登記申請はできません。人間に置き換えると、死亡している人から登記申請出来ないのと同じだからですね。

このような場合は、土地所有者から「滅失の申出」をするしかないですよね~。「滅失の申出」とは登記申請とは異なり、法務局の登記官に対して「建物が取壊されているけど、建物所有者がいないので、登記官の職権で建物の登記を閉鎖してくだいさい」とお願いするものです。

今回はちょっと、珍しいケースですが、法人の「解散」、「清算結了」は気を遣いますね。




タイトルとURLをコピーしました